覚悟をした一夜

ここ最近 仕事が忙しい。やる気も気力も

ないのに、こんな時に限ってだ


メルモの四九日が過ぎ、1週間を数えなく

なったら なおさら寂しくなった


大好きな気持ちは変わらない。

忘れることは絶対にない。


なのに姿が見えない時間が増えていくと

認識できないから 不意にハッと


あっ! メルモ!


と、思う時がある。


あたりまえなのかもしれないけど

思い出す事でしかメルモと会えない

ことに今 また 改めて寂しさを実感する



➖➖➖大学病院から帰った夜➖➖➖

頭骨の悪性腫瘍と診断された日は

全身麻酔での検査を受けた。


迎えに行った時には麻酔からもしっかり覚醒

していて、いつものメルモだった。


夕方帰ってからはお水をたくさん飲んだ。


ご飯も食べてしばらくは変わりなく

過ごしていたが、ふらつきが出始め

20時も過ぎた時には浅くて速い呼吸が

始まった。


今までならこのまましばらくすると

落ち着くがこの日は違った


そのままだんだん酷くなり、口を開け

下は出ている。


目は焦点が合っていない。


こんな時間はどこの病院も開いていないと

知っていながら、あっちこっちに電話した


わかっていたけど絶望感と同時に

ひとりで看取る覚悟をした。


それからずっと、メルモの側で


大丈夫だよ。大丈夫だよ。大丈夫だよ。


ただその言葉だけをひたすら繰り返した。


頭の中で今日の検査の時に、細胞診を

するか、しないか、神経などたくさん

集まっている場所ではあるから、多少の

リスクはありますと説明も受けていた。


でも、私は細胞診をお願いした。

それがいけなかったのか?


私がまたメルモを苦しめたのか?


そんな事をずっと考えながら長い時間が

過ぎていった。


23時を過ぎてから、メルモは少しずつ

落ち着きはじめ、意識もしっかりしてきた。


自力で帰って来てくれた。


横になったままではあったけど

しっかりと目を開けてちゃんとこっちを

見ている。


そしてウトウトと寝始めた。


この日は朝まで何度もメルモの様子を

確認していた。


メルモも何度も目を開けては

アイコンタクトを送ってくれた


この日メルモは私を守ってくれた


自責の念に潰れてしまわないように


自力で戻ってきたんだと そう思う